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2022年8月31日更新
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夏の風物詩ともいえる愛らしく涼やかな、金魚。堀口さんは大正時代から続く養魚場の5代目として、江戸川区春江で金魚の養殖を行っている。先代は江東区深川で養殖を行っていたが、関東大震災での被災をきっかけに、より広い土地と豊かな水を求めてこの地へ移ってきた。「かつてこの辺りの川の水は天然のウナギが泳ぐ程きれいで、金魚池とレンコンを栽培する蓮田が混在していた。しかし昭和40年頃から宅地化が進み、どんどん減少していった」。最盛期には区内に23軒あった養魚場は、現在では2軒を残すのみだと言う。
丸い体型に長い尾ヒレが特徴の琉金(りゅうきん)。堀口さんの育てる琉金はさらに丸みがあり肩が盛り上がっていて、「堀口琉金」と呼ばれるほど質が高いことで有名だ。父の代から受け継ぐその特徴は形、色、模様に出る。特に形が一番重要だと言う。その秘訣は土にある。「金魚池の底には消石灰と鶏糞をまく。畑と一緒で土が良くないと良い金魚が育たない」。金魚は育てる人の個性が出るのだと言う。それが一番のやりがいだと語ってくれた。
現在は、区内小学生の社会科見学を積極的に受け入れ、養魚場の歴史や文化を伝えている。「区内の蓮田は無くなってしまったが、ここに来れば実際に金魚を育てる様子を見られるし、昔からの話も聞ける。養魚場を続けていれば、子供たちに伝えられる。そういった場所にしたい」。
江戸川区特産金魚まつりの実行委員長も務め、江戸から続く金魚の文化を守り、発信し続けている。
現在は日曜日に小売り販売を行っている
琉金
ホームページ https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/nourin/column/