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2017年6月30日更新
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住宅への雨風の侵入を防ぐための金属板を、屋根や外壁に合わせ加工し、取り付ける建築板金工の大月信雄さん。
親に弟子入りするも、それとは別に学問として設計や金属のことを学ぶため、高校の機械科に通い、板金に生かしていった。
新築やリフォームの仕事のほか、寺社等で見られる屋根飾り制作で、半世紀以上の経験を持つ。職人として1人前になった昭和40年代は寺社の新築・改修も多く、数々の経験を積んだ。
大月さんは、古典技能と呼ばれる手作業で屋根飾りを制作する。1枚の金属板を金槌(かなづち)で打ち付けることで凹凸をつけ、さまざまな形を作る。機械化も進むが、壺のような形では金型から抜き出すために切断・溶接をするため、つなぎ目ができ、古くからある寺社などの復元工事には向かない。「古典技能は、つなぎ目が無い。そこに難しさがあり、美しさがある。若い人が先輩たちの築いてきた板金文化をつないでいかないといけない」と、名工たちから学んだ伝統技術の重要性を訴える。
そして、「自分で考えて物を作る想像力、経験から得る自分なりの理論。それがその人の個性になって生きてくる」と後進へアドバイスを送り、作品づくりを通して技術の継承に貢献している。
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「道具は手作り。自分で考えて道具を作る。 道具作りができないと、ものづくりはできない」 と大月さん。 |