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2017年7月31日更新
目次
上野動物園に隣接するホテルの日本料理料理長を務める大河原実さん。会席料理を中心に1日平均300食〜400食の料理を作っている。日本料理は、使う食材が季節によって変わり、四季を大切にする料理で、献立も「走り・旬・名残(なごり)」と食材の時季にあわせて組み立てる。
調理師になったのは、料理が好きだったから。包丁一本で身を立てる料理人への憧れもあった。高校卒業後に就職し、日本料理店などで修行を積んできた。
大河原さんは、料理長としての仕事のかたわら、小学校で料理教室のボランティアを行っている。そこでは地元農家が栽培した食材を使う。「子供は味覚が敏感。いろいろな食材に触れて興味を持ってもらえれば」と食育推進にも取り組んでいる。
「これまで仕事で大変だと思ったことは一度もない」と大河原さん。若い時は分からなくて当たり前。先輩の仕事を見て学び、自分で実践し、技術を習得する。「失敗してもいい。その理由が分かれば新しい世界が始まる。失敗は無駄にはならない」と常に前向きだ。
仕事を長く続ける秘訣は、「目標を持つこと。それを一つ一つクリアして、成功した時の達成感・充実感を経験すれば、仕事が楽しくなる」と。
修行時代に師匠から言われた言葉「料理は妥協するな」「常識にとらわれるな」を今も胸にきざみ、日々の仕事に励む。
■東京マイスターWEBサイト http://www.meister-award.metro.tokyo.jp/
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味のメリハリ、バランスが考えられた料理を 美しく盛り付ける |