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平成30年(2018年)5月31日更新

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日本文化に自信と誇りを
畳工 小宮太郎(こみやたろう)さん(平成23年度受賞)

職人の街、墨田区で、約100年続く畳店の伝統技術を守る小宮太郎さん。家庭用の畳の製作はもちろん、高い技術が必要とされる特別な畳、有職(ゆうそく)畳も多く手がける。
一般的な畳は、稲わらを圧縮させた畳床(たたみどこ)を、い草を織り込んだ畳表(たたみおもて)で覆い、縁(へり)部分に布製等の畳縁(たたみべり)を縫い付ける。一方、有職畳は、畳表で覆う部分は同様だが、畳床の上下、四方、角に板を入れ、縁部分は絹の「繧繝縁(うんげんべり)」などを、縫い糸が見えないよう手縫いで仕上げていく。用途や格式によって形や大きさはさまざまながら、完成品は調度品のような優美さと重厚さを備える。
この有職畳は、宮中に由来し、神社仏閣などで受け継がれてきた。小宮さんは、皇居で執り行われる儀式や行事で使用する畳を、実に30年以上作り続けている。「中でも大嘗祭(だいじょうさい)【注】で使われる畳を納めたことは忘れられません。困難もありましたが、畳屋として輝かしい経歴ができました」。
皇居の仕事も「人との縁」から生まれた。「縁に支えられ、今の自分がある」と話す。異業種の職人との交流会にも積極的に参加し、「先輩方から多くの学びと刺激を受けている」と言う。
「江戸時代の中頃まで庶民は板の間で生活し、畳は高級品でした。時を経て、今はフローリングが主流ですが、薄い畳や畳コーナーが注目され始めています」。
い草の香りは癒し効果だけでなく、集中力を高める効能もある。時代は繰り返すのだとしたら、日本が誇る和みの文化は、どんな変化を見せてくれるだろうか。 
【注】大嘗祭:天皇が即位後、初めて行う大規模な収穫祭(新嘗祭(にいなめさい))のこと。

■東京マイスターWEBサイト http://www.meister-award.metro.tokyo.jp/

ものづくりが好き。だから、「まだまだ続けられる」と力強く語る。

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