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2026年3月31日更新
目次

江戸時代の神田を舞台に、ひたむきに働く職人の技や誇り、生き様を圧倒的な画力で描き出す。第28回手塚治虫文化賞「新生賞」、宝島社「このマンガがすごい!2024」オトコ編第3位など数々の賞を受賞。

漫画家 坂上暁仁さん
作者コメント
人々の暮らしの変遷、政情の影響、文脈豊かな町文化の発生。そういう「この地ならではの歴史」が近代都市TOKYOの足元にもあったのだ、という実感を僕は江戸東京博物館で得ることができました。『神田ごくら町職人ばなし』をつくるときも何度も通いました。町の歴史の全体像を把握しつつ細部に関しても知ることができる。さらに細かいことについては最上階の図書室で本を見る。この東京という町のことを知るには理想的な博物館です。また通えるようになるのを待ち焦がれておりました、とても楽しみです!


4年間の改修を経て、江戸東京博物館が新たに生まれ変わります。歴史資料に加え、原寸大模型や空間演出をさらに充実させ、江戸以降の時代の歩みをより体感しながら学べる空間へと進化しました。東京を代表する文化施設として、過去と現在をつなぐリニューアルのポイントをお伝えします。
まず目を惹くのが、建築家・重松象平氏が監修した「鳥居」を模した工作物。その内側には、現代から江戸へと時代をさかのぼる映像が流れ、ワクワク感を加速させます。


入口を進むと東京マイスター・久住有生氏による幅約11メートル、高さ約4メートルの左官仕上げを施した壁がお出迎え。左官技術が凝縮された美しい仕上がりは圧巻です。
左官とは、建物の壁や床などの表面を「鏝(こて)」と呼ばれる道具を使って仕上げる技術や職人のことで、一人前になるには長い年月がかかりました。

神田ごくら町職人ばなし「左官」より
©坂上暁仁/トーチweb
見どころ満載の〈江戸ゾーン〉をリニューアルの魅力を中心にご紹介。6階から5階に続く吹き抜けの大空間で、まるで江戸の世に足を踏み入れたかのような体験が待っています。

浮世絵風の江戸の空と現在の空が映し出され、季節や時間帯によっては、美しい花火も打ち上がります。

日本橋を渡ると<江戸ゾーン>へ。紀州徳川家伝来の品を含む、江戸時代の甲冑11領を期間限定で展示。ファン必見です(5月10日まで)。

内部では歌舞伎にまつわる小物などの展示も!舞台裏からの景色を通して、江戸の芝居文化を肌で感じられます。



子供たちが学ぶ寺子屋や指物師の仕事場など、長屋に暮らす町人の生活を忠実に再現。新たに「朝顔売り」や「天麩羅(てんぷら)」の屋台も加わり、江戸の町に迷い込んだかのようなにぎわいを体感できます。
板材を組み合わせて作る木工。家具製品に多く、特に江戸時代に発展。
江戸時代には100種以上の職人が存在しました。その技と粋は時代を超えて受け継がれています。

畳刺し 神田ごくら町職人ばなし「畳刺し」より

桶職人 神田ごくら町職人ばなし「桶職人」より
©坂上暁仁/トーチweb

当時、世界一の人口密度とも言われた江戸のにぎわいの様子が細部まで再現された縮尺模型。一人ひとりの表情やしぐさが面白く、時間が経つのを忘れます。

春夏秋冬の江戸の景色を描いた歌川広重の名作「名所江戸百景」全点を期間限定で一挙公開。一連の作品すべてを一度に鑑賞できる大変貴重な機会です(4月26日まで)。