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2017年10月31日更新
目次
東京都と中国野生動物保護協会は、共同繁殖研究プロジェクトにより、絶滅が危惧されているジャイアントパンダの保護に取り組んでいます。6月12日、5年ぶりにパンダのメスの赤ちゃんが誕生。順調に成育し、「シャンシャン」という素敵な名前も決まりました。未来を開く貴重な1頭であるシャンシャン。皆さんに、これまでの成長の様子をお伝えします。
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上野動物園では2012年にもシンシンが出産しましたが、赤ちゃんは残念ながら6日後に肺炎で死んでしまいました。今回の赤ちゃんは生まれるとすぐに大きな鳴き声を上げ、お母さんのシンシンもそれにこたえるように赤ちゃんを前足で抱え、なめたり、お乳をあげたりと熱心に世話を始めました。生まれて2日後の体重は147グラム、親パンダの千分の一程度の大きさで、全身はピンク色です。きちんとお乳が飲めているか、母親が間違って踏み潰したりしないか、飼育係は24時間体制で母子を見守りました。
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身体検査のため、保育器の中に入ったシャンシャン |
飼育係はまだまだ気を抜けませんが、3回目の身体検査で体重は283.9グラムと順調に育っていることが確認できました。このときに観察した結果を中国の専門家と協議した結果、性別は「メス」とわかりました。
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パンダらしい黒い模様が体に現れ始める |
生後1ヵ月を迎え、体重はついに1キログラムを超えました。まだ、目は開いていませんが、白黒のパンダカラーもはっきりしてきました。母親のシンシンは出産のあと4日後の夜までは、何も食べずに赤ちゃんの世話をし、多い日には1日に10回以上もお乳を与えるなど、献身的に子育てをしてきました。その甲斐あって、元気にすくすくと育っていきました。
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シャンシャンはどこにいるでしょう? | 保育器の中で体の状態を確認 |
両目がうっすらと開きかけていました。
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体重は3キログラムを超え、四肢で立ち上がることはできないものの、前足を踏ん張ってはったり、方向転換をしたりするようになりました。まだしばらくの間、赤ちゃんは母親のお乳だけで育ちます。シンシンにはエサをたくさん食べさせ、栄養たっぷりのお乳を与えられるようにするため、好物のタケやササ、タケノコなどを与えました。
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シャンシャンとシンシン、親子の交流 |
体重は6キログラム、体長は65センチメートルにもなりました。後ろ足の力も強くなり、四つの足で3、4歩進めるようになりました。犬歯が生えてきたこともはっきり確認できましたが、まだしばらくの間、食べ物はお乳だけです。
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シンシンは子を連れて移動することも |
体重は約8キログラム、体長は約70センチメートルになり、身体測定も飼育係2人がかりです。足の力はさらに強くなり、柵に前足をかけて立ち上がるしぐさも見られました。歩く範囲も広がりましたが、時にはシンシンに口でくわえられて産室に連れ戻されたりすることも。犬歯のほかの歯も生えてきてむずがゆいのか、シンシンにあげたタケや部屋の柵を噛み始めました。
これからも健康ですくすくと育ち、世界中の人たちに愛されるジャイアントパンダになるように願っています。
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歩き始めたシャンシャン |
一日に、4〜5回与えるエサの時間がチャンスです。他の熊ではできない、前足でタケを器用につかむ様子や、タケの皮をむいてバリバリと食べる様子を間近に見ることができるかもしれません。パンダは寒いところに住んでいるので、足の裏にも毛が生えています。よく見るともっとおもしろい発見があるかもしれません。
公開は12月中旬頃を予定しています。ぜひ、シャンシャンに会いに来て下さいね。
お問い合わせ 上野動物園 電話03-3828-5171 ホームページ http://www.ueno-panda.jp/(外部サイトへリンク) |