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令和3年(2021年)10月29日更新

新型コロナウイルス感染症の影響により、記事の内容等が変更になる場合があります。最新の内容等はホームページをご確認ください。
外出時は最新の情報を確認した上で、マスク着用等の基本的な感染予防策を徹底するなど、感染拡大防止に向けた行動にご協力をお願いします。
※11月号は10月18日時点の情報に基づき作成しています。

東京の生物多様性 大切な自然環境を守るために

私たちの暮らしは、生物多様性の恵みによって支えられています。しかし今、人間活動の影響で、生物多様性が世界的な危機にさらされています。大切な自然を守るため、私たちにできることを考えてみませんか。

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左:オガサワラカワラヒワ 右上:ムサシノキスゲ 右下:トウキョウダルマガエル

第6の大量絶滅と生物多様性の危機

地球の歴史が始まって以来、隕石(いんせき)の衝突や火山の噴火などによって過去に5回の「大量絶滅」があったと考えられています。そして現代は、「第6の大量絶滅時代」といわれており、国連は今後数十年間で100万種の生物が絶滅する危機にあると警告しています。
生物多様性の危機の原因は一つではありません。開発に伴う自然地の減少、里山などの手入れ不足による自然の質の低下、外来種の持ち込みによる生態系のかく乱の他、地球温暖化も大きな影響を及ぼしています。

  • 生物多様性って何?
    地球上にはさまざまな「自然」があり、そこに一つ一つの「個性」を持つ生き物がいます。生物多様性とは、それぞれの命が直接的・間接的につながりあっていることをいいます。
    この生き物たちのつながりによって豊かな生態系が保たれ、私たちは多くの恵みを得ています。例えば植物の光合成は、多くの動物に必要な栄養分や酸素を生成します。また、暮らしを支える水・食料・木材などの資源供給、気候を調整し大雨災害などを防ぐ調整機能、さらには自然とのふれあいの中で育まれる文化や伝統工芸まで、全て自然の恵みによって成り立っています。

3つのレベルの生物多様性の画像

国際社会で議論が進行中!

2010年に愛知県で開かれた生物多様性条約締約国会議(COP)で、生物多様性保全のための国際目標である「愛知目標」が採択され、2020年を期限として保護地域の面積割合に関する数値目標など、20の個別目標を定めました。しかし、昨年9月に発表された国連の報告書では、完全に達成できたものは一つも無いという厳しい結果が示されました。
このような状況を踏まえ、来年5月に締約国会議(中国・昆明)で、愛知目標の後継となる「ポスト2020生物多様性枠組」が採択される予定です。生物多様性の損失を食い止め回復させるためには、温暖化と並ぶ地球規模の問題として、都民や企業などあらゆる主体が一体となって取り組む社会変革が求められています。

増加する東京の絶滅危惧種

絶滅の恐れのある野生生物種のリスト「レッドリスト」の都内本土部版を今年4月に改定しました。本土部では、過去約20年間でレッドリスト掲載種が約4割増加しています。
また直近の10年間で、植物や昆虫を中心に80種が絶滅種に加わりました。

※詳細はホームページをご覧ください。

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本土部版(2020年)と島しょ部版(2011年)

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コウズエビネ

自然再生活動によって回復する種も!

イノカシラフラスコモは、井の頭池周辺で1957年(昭和32年)に発見された水草です。しかし、周辺の都市化とともに湧水量の減少や水質汚濁、外来種の移入などによって姿を消してしまいました。
2014年から2016年にかけて、多くの都民とともに池の外来魚等を排除し、池底を天日干しにする「かいぼり」を実施したことにより、池の透明度が向上。絶滅したと思われていたイノカシラフラスコモが約60年ぶりに復活しました。

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イノカシラフラスコモ

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井の頭池でのかいぼりの様子(2016年1月)

  • 外来生物の扱いに注意!
    私たちの身近にいるアメリカザリガニは、実は100年ほど前に養殖用ウシガエルの餌としてアメリカから持ち込まれた外来種です。雑食性で、魚類や水生昆虫など何でも食べる上、水草を切ってしまうため、水草や水辺に生息する希少な生き物を減らしてしまいます。決して川や池に放さないでください。

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アメリカザリガニ

都の取り組みをホームページに掲載しています

現在、「東京都生物多様性地域戦略」の改定に向けた検討を進めており、改定版のたたき台として「ゼロドラフト」をまとめました。東京都における生物多様性の現状と課題、東京の将来像など詳しい内容はホームページをご覧ください。

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お問い合わせ
環境局自然環境部
電話 03-5388-3548
ホームページ https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/basic/plan/nature/opinion.html

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