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2025年6月1日更新
目次
©出水ぽすか
水害から身を守る事前シミュレーション/みんなで取り組む豪雨対策
出水ぽすか
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漫画家・イラストレーター。東京都出身。週刊少年ジャンプの人気漫画『約束のネバーランド』の作画、月刊コロコロコミック『BEYBLADE X』のほか、数々のキャラクターデザインのイラストを担当。緻密かつ幻想的な作品により、多くの人気を集めています。
作者コメント
大雨の夜の道路は、街の灯を反射して大きな川のように見える。
信号を待つ間、道路を眺めて「本当の川だったら一瞬で飲み込まれてしまうだろう」と想像して恐ろしくなり、帰路を急ぐ。そんな日常の合間に、日頃の防災対策をちょっと考えてみるのはどうだろうか。
近年、地球温暖化による気候変動の影響で雨の降り方が変わり、強い雨が増えています。
「警報級の大雨」という言葉をよく耳にするようになった、と感じている方も多いのではないでしょうか?
また、地震対策は調べたことがあっても、水害のリスクについては知らない方が多いという調査結果も。
今号では、大雨から身を守るための備えと万一の時にどう動くべきか、都の対策とともにご紹介します。
気温が上昇すると空気中の水分が増え、大雨や集中豪雨を引き起こす「積乱雲」が発達しやすくなります。実際、1時間に50ミリメートル以上の大雨の回数は増加の傾向にあります。
昨年の台風10号では八王子市で都内における降水量の観測記録を更新しました。
令和元年の東日本台風では、7つの河川で水があふれ、多摩地域を中心に被害が発生しました。
隅田川沿いは防潮堤の整備により浸水被害を免れましたが、都心の水辺空間である隅田川テラスでは、大雨により一部冠水しました。
隅田川両国橋付近
平常時(7年5月)
冠水した隅田川テラス(元年10月)
参考:気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」/東京管区気象台「近年の大雨災害と防災気象情報の利活用」/令和6年度「防災に関する都民の意識調査」
→知っているようで知らない水害の豆知識 水害対策クイズに挑戦!
地震と違い、水害はある程度予測が可能です。東京は、山地や丘陵地、大小の川など、多様な地形を有していることから、さまざまな水害が発生するおそれがあります。
いざという時慌てないために、日頃から準備しておくと安心です。
ハザードマップは、「被害が想定されるエリア」や「避難場所」などを表示した地図で、区市町村ごとに作成されています。
「東京都防災アプリ」をダウンロードすると都内の水害リスクを“見える化”する水害リスクマップを利用できます。水害リスクマップには、アニメーションでかんたん確認!洪水や土砂災害など複数の水害リスクがわかる!GPS機能と連動、外出先でも使える!等の機能があります。他にも「東京マイ・タイムライン」などの機能が利用可能です。
水害リスクマップ
大雨による洪水や土砂災害のリスクが高まった時、区市町村から避難情報が発令されます。警戒レベルには段階があり、それぞれのレベルで取るべき行動が異なります。事前に確認しておきましょう。
避難情報等
緊急安全確保
(区市町村が発令)
取るべき行動
すでに災害が発生・切迫している状況です。直ちに安全な場所で命を守る行動を。
警戒レベル4までに必ず避難!
避難情報等
避難指示
(区市町村が発令)
取るべき行動
災害が発生する危険が高まっています。速やかに危険な場所から全員避難しましょう。
避難情報等
高齢者等避難
(区市町村が発令)
取るべき行動
高齢者や障害のある方等は危険な場所から避難しましょう。
避難情報等
大雨・洪水・高潮注意報
(気象庁が発表)
取るべき行動
避難に備え、ハザードマップ等で、自らの避難行動を確認しましょう。
避難情報等
早期注意情報
(気象庁が発表)
取るべき行動
災害への心構えを高めましょう。
「警戒レベル3」取るべき行動
参考:政府広報オンライン 「警戒レベル4」で危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう(外部サイトへリンク)
避難先は学校や公民館など行政が指定した避難所だけでなく、ハザードマップ等で安全が確認された親戚や知人宅、ホテルなども選択肢として検討できます。
事前に避難先を決めておくことで、緊急時でもスムーズに行動できます。避難する際は、川や用水路に近づかないように、気を付けて避難しましょう。
東京マイ・タイムライン
事前に水害時の行動をシミュレーションし、適切な避難行動を決めておくために、「東京マイ・タイムライン」をご活用ください。
アプリ版ではSTEP1~3を行えます。また、冊子の配送も行っています。
申し込みはホームページで。
東京都では、都民一人ひとりができる水害への備えを呼びかけています。
水害による被害を防ぐため、あなたにもできることがあります。早速チェックして実践しましょう!
下水道局では、6月を「浸水対策強化月間」と定めています。日頃からできる浸水対策を今一度確認し、万一に備えましょう。
道路や敷地にある雨水ますや側溝の上がゴミや物でふさがっていると、雨水が流れず浸水の原因に。気付いたら取り除くなどきれいにしておきましょう。
半地下家屋や地下室は道路面から建物に雨水が流れ込みやすく、浸水するおそれがあります。ごみ袋を利用した「簡易水のう」は、段ボール箱と併用することで強度が増します。
詳細はホームページで。
雨水をまちの中で一時的にためたり、しみこませることで、豪雨時に川や下水道に流れ込む水の量を減らし、水害に強いまちづくりを進めるプロジェクトです。ぜひ、ご協力ください。
詳細はホームページで。
大雨の際に風呂の水を流さない
家の外に流れ出る水を減らすため、お風呂の水を抜くのは雨上がりに
雨水タンクの設置 【注】助成制度あり
雨水をタンクにためて雨水の流出を抑制。ためた雨水は植木の水やりなどに使えます
雨水浸透ますの設置 【注】助成制度あり
雨水を地中にしみこませる雨水浸透ます等の設置も推奨しています
【注】助成制度の有無および各種条件は、各自治体によって異なります
参考:東京都都市整備局「あなたにできる豪雨対策」