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都政レポート  2025年12月10日  都市整備局

自然の力で豪雨対策「あまみずグリーンインフラ」とは?

ここ数年注目されている「グリーンインフラ」という言葉を知っていますか? 自然環境が持っているさまざまな機能を上手に利用して、サステナブルな地域をつくっていこうという考え方です。
なかでも、都では豪雨対策の一環として「あまみずグリーンインフラ」の普及に力を入れています。その役割は、雨がたくさん降ってきたときに、雨水を一時的に留めて、その後ゆっくり土の中にしみこませること。大量の雨水が下水道や河川に直接流れるのを防ぎ、豪雨対策として有効な手段のひとつになります。
「あまみずグリーンインフラ」が具体的にどんなものなのか、都内にある3つのスポットを巡ってきました。

 

大島小松川公園のレインガーデン

1つ目は、荒川と中川に挟まれたエリアにある「大島小松川公園」。こちらにはレインガーデン(雨庭)3カ所、バイオスウェル(緑溝)2カ所、計5カ所の「あまみずグリーンインフラ」を設置しています。いずれも道路に近い場所に設置されていて、道路に雨水が流出するのを防ぎます。広い公園は中央がゆるく盛り上がっていて、傾斜を伝って流れてきた雨水がここに一時的に貯まり、ゆっくりとしみこんでいくという仕組みです。

 

大島小松川公園のレインガーデン

このレインガーデンは、雨水が貯まったときの水位がわかるように、石の高さを5センチメートルずつ変えて置いています。見た目にも石庭やオブジェのようで、公園のアクセントにもなっています。

 

大島小松川公園のバイオスウェル

バイオスウェルは、帯状に掘られた溝で、砂利などが敷き詰められています。こちらは既存の排水溝とつなげることで、効率よく雨水をしみこませることができます。

 

大島小松川公園のレインガーデン

こちらのレインガーデンでは、1時間に100ミリメートルの雨が降る想定で水を流すなど、効果の検証を行っています。
また、自生種のムラサキシキブなど環境に合った植物を植えており、やがてはビオトープ(生物が生息する場所)となることも目指しています。近隣の方々やこどもたちと一緒に手入れしながら目に触れることによって、自然環境や水のめぐる仕組みを学習するという意味も込められています。

 

番町の森のレインガーデン

2つ目のスポットは、千代田区麹町駅付近にある「番町の森」。こちらは民間の公開空地(一般が利用できるオープンスペース)で、「地域と共生するサステナブルな広場」をコンセプトに作られています。広場の中の道路に近い場所、砂利が敷かれている部分にレインガーデンが2カ所設置されています。

 

大井町駅の雨水貯留ブロック

最後に訪れたのは大井町駅西口駅前のバスロータリー付近。こちらは、「雨水貯留ブロック」を設置し、グリーンインフラ施設が目に見えるように展示されています。このブロックは、雨水を排水する特殊な構造になっています。

 

雨水貯留ブロックに水を流す実験

大量に雨が降ると、歩道などに水たまりができることがよくありますが、このブロックではすぐに水が浸透し、表面に水が溜まりません。実際に水を流してみると、表面からすぐに水がなくなり、ブロックの空洞部分に溜まっていくのがわかります。その下には砂利などが敷き詰められていて、ゆっくりとしみこんでいきます。

 

「あまみずグリーンインフラ」は、公園や大きな施設だけでなく、住宅を建てる時に取り入れて設計するなどの動きも広まっています。また、一部のホームセンターではDIYのアドバイスや必要な材料の販売等も行っています。
都では、このような雨水を「しみこませる」まちづくりを「雨水しみこみプロジェクト」として、行政や企業、地域の方々や団体などの枠を超えて広く推進しています。さまざまな場所で「あまみずグリーンインフラ」を増やしていくことが、豪雨に負けないまちづくりにつながるので、これからもこの取り組みに注目していきたいと思います。

 

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