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2025年10月15日
生活文化局
「やさしい日本語」を知っていますか? 公共施設や病院などで、見たり聞いたりしたことがある人がいるかもしれません。やさしい日本語とは、難しい言葉を言い換える・書き換えるなど、相手に配慮したわかりやすい日本語のことです。
都では、職員を対象にやさしい日本語の研修を開催したり、やさしい日本語でお知らせを作ったりと、さまざまな取り組みをしています。
やさしい日本語は、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに生まれたものです。難しい日本語がわからない外国人に、災害時でも速く正しく情報を伝えるため、やさしい日本語が考え出されました。
現在は、メディアユニバーサルデザイン(より多くの人にわかりやすく伝える手法)のひとつとして、災害時だけでなく、医療や福祉、教育、観光の現場などでも広く使われています。また、対象者も外国人など日本語を母語としていない方をはじめ、高齢者やこども、障害のある人などに広まっています。
やさしい日本語のポイントは、「はさみ」の法則 |
基本的には「です・ます」調の丁寧語を使います。尊敬語・謙譲語はわかりづらいので使いません。よく日本語の日常会話で使われるオノマトペや副詞(ギリギリ、しっかりなど)やカタカナ語(ネット、ホームページなど)も通じないことがあります。
また、「こちらでの通話はちょっと…」と最後まで言わない、「できないこともないですが~」と二重否定するなど、日本語特有の婉曲表現はわかりづらいと言われています。
さらに、1文につき1つのメッセージと考え、長い文章の「、」を「。」にするつもりで短く区切ると、相手に伝わりやすくなります。
やさしい日本語の具体例として、
「高台に避難してください」
という言葉を置きかえると、
「高いところに にげてください」
などとなります。
文章で書くときは、文節の間に余白を入れることもポイントです。
では、
「飲食はご遠慮ください」は、どう書き換えられるでしょうか?
「飲み物は 飲まないでください 食べ物は 食べないでください」などとなります。
もう一つ、
「極力、公共交通機関でお越しください 専用駐車場・駐輪場はありません」は?
「なるべく バスか 電車で 来てください 車は 使えません 自転車も 使えません」
などと置き換えられます。
ただし、やさしい日本語にひとつの正解はありません。相手に伝わればそれが正解です。
“やさしい”日本語は、易しい(easy, plain)言葉と優しい(kind)気持ちという意味が込められています。相手の日本語力や理解の状況に合わせて、言葉を選んだり話し方を変えたりすることが「やさしさ」です。
今回紹介したのはほんの一部ですが、普段から「やさしい日本語」を心の片隅に留めておくと、いざという時にやさしい対応ができるかもしれません。もっと詳しく知りたい・学んでみたいという方は、下記のサイトを参考にしてください。
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