トップページ > 都政情報 >とちょうダイアリー > これまでの都政レポート > 都政レポート/2025年 > 9月 > 先輩たちが活躍する職場へ 女子中高生の未来を広げるオフィスツアー
ここから本文です。
2025年9月24日
生活文化局
都では、STEM分野における女性の活躍を応援するため、2022年度から「女子中高生向けオフィスツアー~」を実施しています。
STEMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4分野の総称をあらわす言葉で、日本は大学でこの分野に進む女性の割合が、諸外国と比べても圧倒的に少ないと言われています。そこで、STEM分野で活躍する女性が働く企業を会場に、今年の夏休みもオフィスツアーが開催されました。今回は、その中の3社の様子をお知らせします。
サントリーホールディングスのオフィスツアーは、川崎市にある商品開発センターで開催されました。こちらは飲料の「中味」を研究開発している施設です。
生徒たちはまず会社紹介を聞いた後に、オリジナルフルーツティーを作る体験をしました。ベースとなるお茶を作り、好きなフレーバーを加えます。ずらりと並ぶビーカーやスポイトなど、理科の実験のような道具にワクワクしながら、自分だけのブレンドができあがりました。
次に、実際に研究開発をしている現場を見学。フロアはコーヒー、お茶、清涼飲料、お酒のジャンルに分かれていて、窓越しにスタッフが働く姿が見られます。生徒たちは、生のコーヒー豆と焙煎した豆、火入れの強さが異なるお茶の外観や香りを比べて、開発のイメージを膨らませました。
サーモフィッシャーサイエンティフィックは、研究や医療、製薬などに使う道具や機械、サービスを提供しているグローバル企業です。
ラボツアーでは、科捜研で使われるDNA鑑定や新型コロナで有名になったPCR検査、再生医療など、最先端の研究や医療現場を支える機器の数々を見学。
iPS細胞から分化(特定の役割を持つ細胞へと変化)した心筋細胞を実際に見るという貴重な体験もしました。顕微鏡で拡大した画面では、ときどき細胞が脈打つように動く様子が映し出され、生徒たちからは驚きの声が上がりました。
また、マイクロピペットという道具を使って細胞溶液を取り扱う作業を体験。白衣・ゴーグル・手袋の3点セットを身につけた生徒たちは、恐る恐る道具を扱いながらも、研究者気分を味わえたようです。
みずほ第一フィナンシャルテクノロジーは、主に「金融工学」という分野に関わり、数学やプログラミングの技術で金融の世界を支える企業です。
この会社では、発表者の経歴や専門分野を紹介しながら、資産運用の技術開発、ライフプランのシミュレーション、住宅ローンの計算プログラミングなど、さまざまな角度からの仕事内容を紹介。経済学など文系からのアプローチだけではなく、数学や物理など理系の知識が必要な仕事の内容について、生徒たちは興味深く話を聞いていました。
オフィス見学では、集中できる個室ブースや開放的なテーブルなど、フリーアドレスでさまざまなタイプの席を選べるフロアを一周。中には壁一面ホワイトボードになっていて、数式がずらりと書かれているスペースもありました。
どのオフィスツアーも、後半は実際にSTEM分野で活躍している女性社員の話を聞いて、ディスカッションをする時間が設けられていました。
それぞれ通ってきた道は違うけれど、どの社員もやりがいを感じて働いていると自信を持って話していたのが印象的でした。参加した生徒たちからは、「この仕事はどんな学部出身の人が多いですか?」「好きな道に進むためには何をしておくといいですか?」などと具体的な質問が出て、未来への選択肢を広げるきっかけとなったようです。
Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.