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都政レポート  2021年3月5日  福祉保健局

「ハッキリ言ってワクチンかなり効きます」
東京医科大学 渡航者医療センター部長にインタビュー

新型コロナのワクチン接種が国内でも始まりました。都ではまず医療従事者等約60万人への接種準備を進めています。
そこで今回、東京医科大学病院渡航者医療センターの濱田篤郎(はまだあつお)部長にワクチンの効果や安全性、副反応のことなどを伺いました。

〇:広報課★:濱田さん

濱田部長


〇:このワクチンは効くのでしょうか
★:このファイザーのワクチンははっきり言ってかなり効きます。だいたい90%の有効率と言われています。インフルエンザの場合は50~60%と言われているので、それに比べても効果は高いです。

〇:どのような効果が期待できますか?
★:まず、発症予防。また、重症化を防ぐことがわかっています。ただ、感染自体を防ぐ効果があるかどうかはわかっていません。

〇:安全性はどうでしょうか
★:安全性はある程度確認されています。重症な副反応はアナフィラキシーというアレルギー反応ですが、これまで100万人に接種して5人程度です。インフルエンザは100万人に一人か二人なのでインフルエンザより少し高めです。
接種後の軽い副反応は、打ったところが腫れる、痛くなる、熱が出る、だるさなどで、接種した半数位の人に起こりますが若い人、高齢でも元気な人は1日か2日で消えていきます。

〇:アナフィラキシーが心配な人も多いと思います。対処方法はありますか
★:どういう人に起こるか、いろいろデータが集まって来ているのですが、もともとアレルギー体質の人は要注意です。接種前の問診で申告したほうがいいと思います。アナフィラキシーは接種後30分以内に起こるので打った後は会場で様子見をし、症状が出たらすぐ処置を受けることで対処できます。接種が先に始まっている欧米では、アナフィラキシーで死亡した方はほとんどいません。

〇:ワクチン接種はなぜ必要なのでしょうか
★:おすすめする理由は二つあります。
一つ目は接種をした人は発症しなくなるということ。
二つ目は集団免疫が得られることです。
日本中で約6割程度の人がワクチン接種をすると感染流行が収まると言われています。個人的にコロナにかからなくすると共に、社会から病をなくす意味でぜひ接種してほしいと思います。

〇:変異株について教えてください
★:コロナの場合、インフルエンザのように毎年型が変わる、ワクチンが型によって効く効かない、という事態にはならないと思います。ただ、新しい変異株についてはワクチンが効かなくなる可能性もありますが、いま世界で広がりつつあるイギリス型の変異株には同じように有効と見られています。

〇:ワクチンが1年程度で完成したのはとてもスピーディですが、なぜ短期間で開発できたのでしょう
★:通常の方法で作ればマーケットに出るまで4,5年かかりますが、このワクチンはウイルス遺伝子を使った最先端の医療技術を使いました。あまりに速くて大丈夫なの?と心配する人もいるかもしれませんが、効果は臨床で確認しているのであまり心配しなくてもいいと思います。
1年足らずで出来ましたが背景には何十年という遺伝子研究があります。その上で作られたワクチンです。

〇:接種後はもうマスクをしなくてもいいんですか?
★:今回のワクチンは発症を予防するもので、そもそもウイルスにかかることを防げるのかどうか、また、かかっている人が他の人にうつさないかどうかはまだ、わかっていません。
ですから、接種した後もコロナにかかる可能性はあるし、他の人にうつす可能性もあるので、マスク、うがい、3密回避などはしばらく続けてください。

〇:特効薬はできませんか?
★:ウイルスそのものに効く薬はまだできていません。発症したあとの症状に応じた薬はあります。例えば肺炎にはステロイドを使うとか、コロナにかかった人は血のかたまりができやすいので、血液のつまりを取る、血をサラサラにする薬などは開発されています。
特効薬がない間はワクチンで発症しないようにすることを心がけていくことが大切かと思います。

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