トップページ > 都政情報 >とちょうダイアリー > これまでの都政レポート > 都政レポート/2021年 > 2月 > 油断できない「コロナ後遺症」 髪の毛が抜けるって本当ですか? 大曲センター長にインタビュー
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2021年2月12日
福祉保健局
新型コロナウイルス感染症モニタリング会議に毎回参加している国立国際医療研究センター・大曲貴夫国際感染症センター長にコロナウイルスにかかったらどうなるのか、その後遺症などについて伺いました。
O:大曲センター長
コロナにかかるとどのようになるのでしょうか
O:多くの人は風邪のようになります。かかった人の8~9割の人が微熱、のどの痛み、鼻水などの症状を経験します。普通の風邪よりも症状が長く、二週間くらい続くこともあるようです。
急に症状が悪化すると聞きますが
O:2割くらいの人が急に悪化します。典型的なのは発症して7~10日目くらいに急にだるさが強くなる、元気がなくなる、息苦しくなるなどがあり、調べてみると体の中の酸素濃度が低く肺炎にかかっていたりします。それが一番怖い。ひどい場合、人工呼吸器に切り替えます。軽い人から重症者まで幅広いのがコロナの特徴だと思います。
わたしもびっくりするほど、急激に悪化します。例えば朝、病院に来て、酸素を投与してもどんどん足りなくなりその日のうちに人工呼吸器が必要になることもあります。
重症化の予兆はあるのですか。またどういう人が重症になりやすいなどありますか
O:予兆は、はたから見たらわからないと思います。ただ年齢の高い人がなりやすいのは確かです。持病も影響しています。肺や心臓、脳の血管の病気、糖尿病、肥満など悪化しやすいと思います。そういう人が軽症で入ってくるとこちらも注意深く経過をみるようにしています。
軽症とはどういう状態でしょうか
O:典型的には微熱、鼻水、あとはダルさです。軽症といっても軽くないです。普通の風邪なら回復するのに10日くらいですが、コロナは2週間、それ以上かかる人もいます。軽症というとすごく軽いと思われがちですが「ダルくて辛くて、もうかかりたくない」とみなさんおっしゃいます。風邪の症状がないけど味がしない、においがしない、ということから始まる人もいます。その場合は症状が結構長く続きます。
療養施設での滞在期間や社会との隔離期間はどのくらいでしょうか
O:人に感染させる可能性が高いうちは社会から離れていただく必要があります。コロナは症状が出て10日目くらいで人にうつさなくなると言われています。多くの人は発症から5、6日目くらいで療養施設に入ってくるので実際の入所期間は5日間くらいです。
後遺症について教えてください
O:一番多いのは息が辛かったり、咳や痰が出るなど呼吸器関連の症状ですが、ダルさ、倦怠感で何もしたくなくなってしまうのが辛いと聞きます。においや味がしないという訴えもあります。私たちの調査では100~150日くらい続く人もいます。
それはいずれ治るのでしょうか
O:多くは治ると思うんですが、まだわからないです。肺に傷がつくと改善しにくいとは言われています。その患者さんがどうなっていくのかは様子を見ないと何とも言えないですね・・。
一度かかった人の再感染はあるのでしょうか
O:ないとは言えません。どれくらいの頻度でかかるのかはわかりませんけれど。
最後に、皆さんに向けてメッセージをお願いします
O:若い人は軽症だ、などと言われていますが実際には重症にもなるし後遺症も残ります。わたしは現場でそういう人をたくさん見てきましたがみなさん辛そうです。なめてかかってはいけないと思います。後遺症の治療などもわからないことが多いので、しっかり対策してコロナにかからないように、とおすすめしたいです。
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