トップページ > 都政情報 >とちょうダイアリー > これまでの都政レポート > 都政レポート/2021年 > 2月 > コロナに天然痘由来ワクチン開発中 東京都医学総合研究所 小原研究員インタビュー

ここから本文です。

都政レポート  2021年2月1日  東京都医学総合研究所

コロナに天然痘由来ワクチン開発中 
東京都医学総合研究所 小原研究員インタビュー

東京都医学総合研究所の小原道法特任研究員と国立感染症研究所の石井孝司品質保証・管理部長は「ワクシニアウイルスベクターを用いた新型コロナウイルスワクチン」の共同開発を行いました。このたび医学総合研究所を訪ね、小原さんにワクチンについてのお話を聞いてきました。

 

小原さん

小原道法さん


〇そもそもワクチンとはどういうものでしょうか
生物がウイルスに感染したとき、侵入した病原体に合う「抗体」を作ることでその病原体を排除することができます。あらかじめ体内に弱毒化したウイルスやウイルスの断片を入れておき耐性をつけるのがワクチンです。

〇今回のワクチンの特徴は
より弱毒化した天然痘のワクチン「ワクシニアウイルス」のDIs株にSARS-CoV-2遺伝子を導入した組換え生ワクチンです。
このワクチンを動物に接種したところ、短期間で効果が出ました。また一度受ければ一生免疫が持続すると期待されています。ウイルスの変異にも対応できると考えています。

〇コロナウイルスのワクチンは扱いがとても難しいと聞きますが、これはどうでしょう
扱いやすいです。冷蔵もしくは室温でも保存が可能です。

〇副作用はありますか
天然痘ワクチンは200年にわたって使われた実績があります。今回使用したDIs株はこれまでのワクチンをさらに弱毒化したもので副作用はほとんどありません。

〇動物での実験の結果は
人間に近い反応をするカニクイザルでの実験では、肺内のコロナウイルス増殖が強力に抑制され、肺炎の症状もほとんどなし、重篤な副作用もなし、という結果が出ています。

〇開発の苦労はどんな点でしたか
許可申請に時間がかかったことです。昨年の1月にコロナウイルスが拡大してきて実験を始めようとしましたが、遺伝子組換え実験の許可申請が二か月くらいかかります。それで海外で先に合成遺伝子などを作ってもらって準備していました。

〇今後実用化までのスケジュールを教えてください
今年の夏前ごろに人間の治験の準備に入ると思います。

〇最後に、皆さんへのメッセージをお願いします
コロナを抑制する切り札はワクチンですが、みなさんに行き渡るまではまだ時間がかかります。ワクチンができるまでは3密回避など守ってください。

研究員と

実験室で作業する研究員と小原さん

 

  • この研究についての詳細は東京都医学総合研究所HP
  • 東京動画アイコン東京都新型コロナウイルス感染症最新情報 ~モニタリングレポート~ 小原研究員登場回はこちら
  •  

    ページの先頭へ戻る

    東京都庁〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1交通案内 電話:03-5321-1111(代表)法人番号:8000020130001

    Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.