ここから本文です。

都政レポート  2020年11月9日  江戸東京たてもの園

古くて新しい「銭湯」へGO

10月24日から江戸東京たてもの園で、「ぬくもりと希望の空間~ 大銭湯展」が開催されています。

癒しと憩いの場

江戸時代に人々の憩いの場として広まり発達した銭湯は、時代とともにその姿を変えながら、庶民の生活に根付いてきました。 水資源の豊富な日本での入浴起源は古く、6世紀ごろ、仏教伝来とともにもたらされたと言われています。平安時代には「湯屋」、鎌倉時代になると「銭湯」という言葉が記録に残っています。
1993年に移築、復元された建造物「子宝湯」は、社寺建築のような「宮造り」の外観、解放感のある高い吹き抜けの内部など、なじみ深い昔ながらのスタイルの銭湯です。このタイプの銭湯は関東大震災の復興後に主流となり、富士山などのペンキ絵や坪庭などで人々の心を潤してきました。

子宝湯
復元された子宝湯は昭和63年まで足立区で営業

富士山の絵
壁にペンキ絵の富士山があると遠近法で浴室はより広々とみえる

うのけどおし
            玄関上にある「兎毛通し(うのけどおし)」という装飾。
            松の木にとまる鷹、飛ぶ小鳥が彫られている。奥は七福神の彫刻。
            下から見上げてよく見えるように顔が下向きに彫られている

天井
格子に組まれた木材で正方形が連続する格天井。
「子宝湯」はその周囲がカーブして起き上がっている
「折り上げ格天井」でより天井の強度が増す

新時代の幕開け

その銭湯も高度経済成長とともに姿を消していきます。各家庭の内風呂化が進み、利用者は減少。施設の老朽化、経営者の高齢化・後継者不足、燃料の高騰など様々な事情が重なって銭湯は次々廃業していきました。
昭和43年に2,687軒あった銭湯は2018年には544軒、平成の30年間で約1,500軒が姿を消しましたが、2014年以降、一日あたりの利用者数は毎年少しずつですが増えています。
後継者育成プログラムの実施、SNSによる情報発信、また銭湯を舞台にした漫画のヒットなどが追い風となり、これまで銭湯に足を運んだことのない人が訪れているのではと推測されます。

大銭湯展では、他に、入浴の発祥から現代の銭湯新時代までの変遷が展示物などで紹介されています。
会期は2021年1月31日まで

入口

展示物

 

問い合わせ先
公益財団法人東京都歴史文化財団
江戸東京たてもの園
電話 042-388-3300

ページの先頭へ戻る

東京都庁〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1交通案内 電話:03-5321-1111(代表)法人番号:8000020130001

Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.