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都政レポート  2019年3月12日  生活文化局

第29回東京都平和の日記念式典

3月10日、「第29回東京都平和の日記念式典」が、都庁第一本庁舎5階大会議場において開催された。
東京都は、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、平成2年7月に「東京都平和の日条例」を制定し、3月10日を「東京都平和の日」と定めた。毎年、東京空襲の犠牲者を追悼するとともに、平和の意義を確認し、平和意識の高揚を図るため、東京都平和の日記念式典を開催している。今回で29回目となる式典には、東京空襲の被災者やその遺族など約400名が列席した。

式典ではまず、東京空襲をはじめ戦災で亡くなった方々を追悼し、世界の恒久平和を願って、全員で黙とうをささげた。 

主催者として小池知事は、
「本日ここに、御遺族の皆様、都民の皆様、在日外交団を始めとする御来賓の皆様をお迎えして、『第29回東京都平和の日記念式典』を執り行うに当たり、ご挨拶を申し上げます。
東京は、先の大戦で、度重なる空襲を受け、多くの都民が犠牲となりました。なかでも、昭和20年3月10日、下町地区を中心に襲った大空襲は、一夜にして10万人ともいわれる尊い命を奪い、人々は家族と引き裂かれ、焼け出されました。
大空襲にさらされたその悲惨な光景と、家族を失った深い悲しみは、今なお、被災した方々の心の中に、大変重く刻み込まれています。
犠牲となられた方々の御無念と、御遺族の皆様の深い悲しみに思いを致しますと、改めて戦争の残酷さ、悲惨さを考えずにはおれません。
戦争を知らない世代が社会の大半を占めるようになり、戦争の記憶の風化が懸念されていますが、私たちが今享受する平和と繁栄は、多くの都民の尊い犠牲の上に築かれているものです。私たちはそのことを肝に銘じ、戦争の悲惨な記憶、史実を、しっかりと次の世代に語り継ぎ、平和の大切さを伝えていかなければなりません。
東京都では、平和の意義を確認し、戦争の惨禍を再び繰り返さないことを誓い、3月10日を『東京都平和の日』と定め、記念行事を実施しております。
都立横網町公園内には、『東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑』を建設し、祈念碑の内部には東京空襲で犠牲になった方々のお名前を記録した「東京空襲犠牲者名簿」を納めております。本年は、新たに89名の方々のお名前を追加し、合計8万1,147名の方々が登載されております。
その祈念碑を覆う花壇は、都内の小中高生がデザインしたものです。四季折々の花々が、生命の息吹と尊さを伝えています。
一方で、広く世界に目を向けますと、今もなお、地域紛争やテロにより命を奪われ、愛する人を失い、故郷を追われる多くの人々がいらっしゃいます。飢餓や貧困もまた人々を苦しめています。
今こそ私たちは、世界の都市と手を携え、相互理解を深め、戦争の惨禍を経験したこの東京から、世界平和に貢献していくべきであります。
来年2020年は、平和の祭典ともいわれるオリンピック・パラリンピック競技大会が、東京で開催されます。都民の皆様とともにこの大会を成功させ、希望にあふれた平和国家日本の首都として、この東京をさらに発展させていくことを改めてお誓い申し上げます。
結びに、犠牲となられた方々の御冥福と御遺族の皆様の御健勝、御多幸を心からお祈り申し上げ、私の挨拶とさせていただきます」と式辞を述べた。

式辞を述べる知事

式辞を述べる知事

尾崎大介都議会議長のあいさつに続き、在日外交団代表のエリトリア国特命全権大使 エスティファノス・アフォワキ・ハイレ閣下が、自身の戦争体験を語った上で、「私たちは皆、どこにいようとも平和を享受するに値する存在である」と述べ、世界平和を訴えた。
東京空襲の被災者を代表して、武蔵野市で住職を務める中里崇亮さんは、小学校2年から3年生の時に、自宅近くの中島飛行機製作所が攻撃目標となり、9回にわたる空襲を受けた体験を語った。その上で、「自宅のお寺に残った爆弾の破片や機関銃の弾など、戦争の遺物を展示公開し、見学に訪れる多くの子供たちに、戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えるために役立てている」と現在の活動を話した。

式典終了後、東京都交響楽団メンバーによる記念公演「追悼と平和への祈り」が行われ、参列者は演奏に耳を傾けた。
また、会場では、「東京空襲資料展」が開催され、多くの参列者が空襲下の生活を物語る資料やパネル展示を観覧した。

東京都交響楽団メンバーによる記念公演

東京都交響楽団メンバーによる記念公演

展示を見る参列者1

 展示を見る参列者1

展示を見る参列者2

展示を見る参列者2

 

 

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